ひとりぼっちのイラスト

大学ぼっちが研究室/大学院をサバイブするには

はじめに

前回に引き続き、私が大学ぼっちとして過ごした6年間を振り返りながら、今現在大学ぼっちとして活動中の皆様、特に理系学部の学生さんたちにできるアドバイスをまとめた記事です。研究室配属や大学院進学を控えた学生さんを対象としています。

学部3年にもなってくると、キャンパス内を一人で過ごすことに適応し、もはや人といることは非日常となります。専門科目が始まり伴ってキャンパスが変わるという方も多いでしょう。理系のキャンパスはアクセスが悪く、市街地から隔離された場所になりがちです。華やか?な般教のキャンパスと異なり見渡す限りの野郎、野郎、野郎です1。場合によっては野生動物も多くお目にかかれるでしょう。

学科にもよるのですが、3年になると「学生実験」と「研究室配属」があります。2年間、同世代の学生と関わってこなかったぼっち君にとっては、大きなストレッサーになりうること必至です。

しかし、大きな心配は無用だと、今になって思います。この僕ですら何とかなったのですから…

学生実験&レポート

3年になってからの学生実験はテーマがより専門的であり、内容の量も質もボリューミーになります。

私の通っていた大学だと、毎週固定の実験班で一つずつテーマに沿った実験を行い、実験の翌週あるいは翌々週までにレポートの提出を求められました。班のメンバーは固定なので、実験操作やレポートの相談等を通して、かなり仲良くなりやすい環境ではありましたね。が、人見知りが激しくほとんど自己開示しなかった結果、前期の学生実験ではメンバーと上部だけの関係を築いておりました()。私の学科では学生実験より先に研究室配属が終わっており、その同期とは同じ実験班だったにもかかわらず、です。

とはいえ、実験班でご飯に行ったり休日遊んだりする必要なんて全くございません。ビジネス的なコミュニケーションができれば、実験・レポートは何とでもなりますよ。

それよりも大変なのが作業量です。これも大学や学科によってまちまちですが、とにかくレポートの記述量が多いので毎週ヒイヒイ言いながらWordなり$latex \LaTeX$のエディタなりと睨めっこする生活が待ち受けているでしょう。実験の担当教員によっては、レポートに高いクオリティを要求する人が稀にいます。こういった場合、提出したレポートが一発で受理されることはまずありません。再提出で済めばいい方で、再再提出、再再々提出…も普通なので、次週の実験レポートとダブルパンチ、トリプルパンチでまさに借金地獄のような日々が待ち受けてたりします。

で、コミュニケーションの話に戻ると、メンバーとレポートで困った時に助け合える関係性であれば乗り越えられます。自分が困っていることは大概他人も困っているものです。普通のグループなら実験初回でLINEグループを作ったりすると思うのですが、メンバー一人も連絡先知らねえぜ🌟という場合は、実験担当教員(or TA)に縋って何とかやり切ってください。先生やTAは何だかんだ親切な人が多いので、助けを求めて最低限の努力をすれば実験の単位を落とす、ということにはならないと思いますよ。

研究室配属

大抵の理系学部が学部4年、一部の学科で学部3年から研究室に配属されます。特に4年からは(順調に単位が取れていれば)講義を取ることもなくなり、研究室に通う生活がスタートするので、同じ研究室となった同期とは頻繁に顔を合わせるでしょう。この時期になると、みなさんサークルや部活を引退してたりするので、アルバイト以外では最も濃い人間関係が研究室の先輩や同期、という学生は多いでしょうね。

個人的な意見ですが、研究室の同期は学内で顔を合わせる時間が長い分、否が応でも仲良くなると思います2

大体みんな歳が同じで、経路はさまざまであれ同じ大学の同じ学科に入学し、同じような講義をとってきて、さらに同じ研究室を選んだのですから、自分とかなり共通点が多い人間が集まっているはずです3。ですので、あまり無理して関わろうとしなくても、自然と深い仲になっていくはず、と考えられます。

以上は、並のコミュニケーション能力がある学生の話です。大学ぼっち、というより人と関係を築く能力が弱め(私みたいな)な人は、ここでも他人と打ち解けるのに相当の時間を要するでしょうね。自分語りになってしまいますが、私の場合は同期と打ち解けたと感じたのは修士1年の頃だったかもしれません。私の同期は自分含め4人でしたが、うち二人が配属前からの知り合い、また別の二人が同じ出身地、という環境も原因の一部かもですが。部活サークルもほとんどやってませんでしたし(一個は割とすぐに退部、他は幽霊部員)、人に胸を張って言えるような趣味も、熱意を持って打ち込んでいるものもなかったので、同期からはつかみどころのない奴だと思われていました4

大学院まで同じメンバーで進学したとしても、とうとう打ち解けることはなかったということもあるかもしれません。でも、それはそれで人生だと思います、私は。

メンバーで休日に一緒に遊んだり、飲みに行ったり、旅行に行ったりという研究室もあるようですが、ラボだけで顔を合わせる関係であっても、研究は進められますし全く問題なしです(特に個人プレーの研究室の場合は)。実際、関係がサバサバしていてプライベートな付き合いが一切ない、みたいなラボも普通にあるそうですよ。

修士よりさらに先に進む場合

博士課程に進まれた大学ぼっちの大先輩の皆さん、尊敬しかありません。皆様の研究活動が実りあるものであることを勝手においのりしております。博士まで行くと、同期はほとんど残っていないでしょうし、年齢的にも学生特有のノリを求められる場面もほぼないでしょう。さらに、助教や准教授、教授を見てみると、全くコミュ力がないにもかからわず、大学という組織には普通に籍を置いていられることが分かります。教員ともなると、他人と交流がないのは問題かもしれません(講義や研究室運営の面で)が、どうやらそれでやっていけるのが大学という場所だということを、私は学びました。

おわりに

長文駄文をここまでお読みになってくださり、ありがとうございます。コメントいただけると励みになります!最後に、大学生活ソロプレイモードで負けそうで泣きそうで消えてしまいそうになっている皆さんに、おすすめの孤独の紛らわし方を紹介して終わります。

それは、声優ラジオ5・アニラジを聴くことです。ラジオから流れる美しいお声が、乾いた心6に潤いを与えるでしょう。

  1. とはいえ、最近は小綺麗な身なりの学生が増えてきたのでむさ苦しさは意外とありません!意外と。
  2. 私みたいな人間は「仲良く」の定義から考えてしまうのですが。
  3. 卒業して今更思うのですが、こういう環境って多分人生で最後ですよ
  4. 実際にそのようなことを言われてました
  5. おすすめは『水瀬いのり MELODY FLAG』です。radikoやYouTubeでアーカイブが聴けますよ。
  6. 2021年度まで放送されていた『NHK-FM 三森すずこのアニソンパラダイス』にて「乾いた心」さんというハガキ職人がいらっしゃいました。

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