「買わずに後悔より買って後悔」をオタク視点で考えてみた話

いはゆるをなご声優のヲタクといふものになりてから年ごろ経る我、いまだに明らかな規持たざることありけり。何に金を投じるかということです。今では社会人となり、ありがたいことにそこそこ自由に使えるお金を得ている私ですが、学生時代は地方で一人暮らしをしていたこともあり、オタ活に使えるお金には本当に限りがあり悩みに悩んでグッズを買ったり、東京のイベントに行ったりと苦労していました。

お金が有り余って仕方ない人とか、部屋が余っているような大豪邸にお住まいの方、オタクグッズの購入を経費で落とせる人とかは何も考えずに出るグッズは全て買えばいいと思うのですが、学生さんとかだと収入に対してあらゆるものの値段は高すぎると思いますし、本当に欲しいものだけを厳選して買うべきだと思います。以下では無理に買わなくてもいいと断じているグッズもありますが、買った人を馬鹿にしているとかそういう意図は一切ありませんし、そういうクソみたいなクレームは受け付けません。買える財力と推しの懐を潤したい気持ちがあるのなら、できるだけたくさんお金を落とすが正義ではあります。

この記事が読者皆様が経済的な制約下でオタクライフの幸福度を最大化する一助となれば幸いです。では一つずつみていきましょう。結構毒舌なので注意してください。

CD

SpotifyやApple Musicに代表される音楽サブスクリプションサービスで賄えてしまうどころか、場合によってはデジタルシングルとかサブスク限定音源とかあって、もはやCDを買う文化自体が縮小傾向にあることは言うまでもないです。しかし、令和のオタクもいまだに高々データが記録されたプラスチックの円盤のためにアニメショップや通販サイトのお世話になっている。なぜなら、特典があるから1

オタクをターゲットとするビジネスにおいて、この特典商法というのは古来から使い古された典型的な販促手段です。CDにライブ抽選優先申し込みが封入されているとか、初回限定版には20Pのブックレットがついているとか、アニメイトで買うとこの絵柄の推しのクリアファイルとブロマイドが貰えるとか、色々。

経験からはっきり申し上げますと、推しの運営が頑張って作ったブックレットも、アニメショップが用意したクリアファイルも、手に入れた幸福が続くのはせいぜい1週間、繰り返し読むことなんてほぼなく、飾っては見たもののすぐに飽き、CD本体すら再生されることもなく結局サブスクで聴いてる、という状態になるのが関の山です2

しかしですよ、じゃあCDは買う必要がないよね、というのは落とし穴だったりします。サブスク、未来永劫あると思いますか?Spotifyもいつかサ終するかもしれないしAppleも会社が傾く日が来るかもしれない。そしたら、あなたのミュージックライブラリも一蓮托生でご臨終ですか?そんなの最悪じゃないですか。CDというかデータの価値ってそこにあると思います。光学ディスクって長期保存に向いているメディアで、盤面の傷さえ気をつければ半永久的にデータを保管できます。熱や衝撃にも割と強いです。コンパクトディスクと言うだけあって取り回しはしやすいし、専門店でもメルカリでも捌きやすいのもメリット。

データとしての価値は一生続きますので好きな曲が一曲でも入っているのであれば、1枚は買いましょう。1枚で十分です。店舗ごとの初回特典は1週間もすれば書棚の肥やしでしかないかもですが、SNSで見せびらかしたいとか、フラゲすることが恒例行事なのであれば初回限定版を一つの店で1枚だけ買えば十分だと思います。

コレクター気質の人は通常盤と合わせて2枚買ってもいいと思います。ただし音質は全く同じです。3枚以上買っている人はお金の使い方を見直したほうがいいかもしれません。え、CD積まないとライブに当たらない?推しと握手できない?それ、運営に良いように搾取されてますよ。。

ただ、例外もあってFC(ファンクラブ)限定盤とかはライブの音源がついてきて一枚CDが多かったりするので、これは買ってもいい。こういうのは大概サブスクサービスにはアップされないので音源データそのもの価値が高いですし、いざとなった時も中古市場で捌きやすいでしょう。

ライブ円盤

基本CDと同じではありますが、声優の過去ライブ映像を見る手段はほぼ公式から出ているライブ円盤でしょうな3。行きたかったライブに行けなかったとか、チケットを握れなかったとか、行ったけどもう一度見返したいなどの明確な目的があるなら迷わず買うべきだと思います。CDと比べると供給量は多くないので、マイナーなライブ盤だと気を逃したら最後、二度と手に入らないとか普通にあります(ここ重要)4。現地行ったけどイマイチだった?無理して買わなくてもいいんじゃないかな、高いし。

Tシャツ

一番売れるけど実は買わなくていいグッズ堂々のナンバーワンだと思ってます。推しのTシャツはマジで数枚あればいいです、それ以上は部屋着か箪笥の肥やしにしかならん。推しのイベントTシャツを一枚も持ってないなら買うといいと思いますが、2枚目以上は買い足すか真剣に吟味して欲しい。遠征の場合は現地用の着替えとして買うのはありかもしれないが、どう頑張ってもユニクロより割高で品質も劣るものであることは意識しておきましょう5。物販のTシャツを買う前に、普段使いできかつ周囲に嫌悪感を与えない清潔なTシャツ、持っていますか?

ペンライト

何故かみんな買うけど次のライブ以降使うことがなくなるグッズ堂々のナンバーワン。イベント会場で売ってるノーマルなタイプ6かどの現場でも使いやすい無印のキングブレードを1本ないし2本持ってれば十分です。腕は2本しかない(重要)。意外に家の中で嵩張るし常時光らせておくわけにもいかないので飾っても映えない。

メーカーはルイファンの底にボタンがついてるやつがいいと思う。親指の位置にボタンがついていて押しやすいタイプのもあるけど、振ってるうちにボタンに触れてしまって気づかず色返してしまいがちだから私はおすすめできない。

特定の現場でしか使えない特殊なタイプなやつは、その推しさんがメインなのであれば買っていいと思う。ただし、よくわからない桃とかひよことか蝶が生えた変形ペンライトを他の界隈の現場に持っていくのは顰蹙なのでやめよう7

タオル

実は1枚も買わなくていいグッズ堂々のナンバーワンかつ利益率もナンバーワンとか聞いたことがあるます。タオル曲は大抵あるものだし、オタクは何かと汗っかきなので、タオル自体は必要ではあるが家にあるスポーツタオルでも十分だと思う。あなたが終演後に写真撮ったりするタイプなら買ってもいいと思うが1枚でいい8。ただし例外もあって水瀬いのりさんのライブタオルなんかは今治タオルなので安く今治タオルをゲットできます、多分。

ぬいぐるみ・マスコットおよび関連アイテム

独自性が高いのと再販されない可能性が高い、SNS画像撮りのワンポイントとして使いやすいので少しでも心が惹かれるなら買おう。私は水瀬いのりさんの公式キャラクターのマスコット(くらりマスコットチャーム)をなぜか買わなくて、そこから再販されるまで3年くらい後悔し続けたので。買い損ねると最悪心療内科を受診する羽目になる。場合によっては持ってないとその界隈のオタクとしての人権無くす可能性があるので9税金だと思って買おう。ぬいのケースはダイソーとかゲーマーズとかにいっぱい売ってる。

カバン

カバンこそ他のもので代用可能ではあるが、公式が出してるカバンはサイズなど意外と現場オタク用に考えて設計されているので意外に重宝する。実際現場に行くと何年も前に出てたトートバックとかリュックをいまだに使い続けているオタクがたくさんいる。ADHD気質のあるオタクは忘れ物したり準備に手間取ったりするのでバッグやリュックを使い回さないほうがいいと思うの。一つ、オタ活用のバッグを決めておいて常に持っていくグッズ(ペンライトとか)なんかはオールウェイズ中に入れておこう。というわけで持ってないなら買っていい。

パンフレット

ライブグッズで買った方がいい第一位。いいお値段するけど、こればかりは代えが効かないので欲しいと思ったら絶対買おう10。紙もまた情報の長期保存には非常に長けた媒体なので価値はバカにできない。本なので保管も、万一売るときもわりあい楽です。

アクリルスタンド

代えのきかなさと再販の可能性が低いことから、欲しいなら買うべき。物販では早めに売り切れがちなのでそもそもの入手難易度が他と比べて高め。要らなくなってもコンパクトなのでメルカリで売りやすい。逆に入手を逃すとメルカリで高額転売品を掴む羽目になる。置き場所がない人は部屋を片付けることを優先しましょう。たかがプラの板だけどされど板。推しを電源なしで三次元空間に投影できるのは今の所アクスタとSNS風クリアカードだけです(2025年現在)。

ラバーバンド・リストバンド

終演後使い道がないダントツのナンバーワン。サウナでペットボトルの取り違いを防ぐ目印にするくらいしか使い道がない。なのにワンコインくらいで買えるので買ってしまいがち。飾るのも専用の容器などがないと難しいので、マニアなコレクター向け。タワレコにキーホルダー化するグッズが売ってるが、10回ライブに行ったら10個ジャラジャラさせるのか?邪魔では。

ブロマイド・缶バッヂ・ピンズ系

コレクション癖のあるオタクが買ってしまいがちだが、私の経験上、ブロマイド系はフォトアルバムに格納した後もれなく日の目を見なくなるし、缶バッヂは引き出しの肥やしと化している。あと x 円で会計が y 円を超えるのでグッズ購入特典が n 個もらえるみたいな状況下でかつ、その特典がどうしても欲しい場合に限っては買うのはありかもしれない。小さいので売りやすいしトレードもしやすいが、元が安いので大した金にはならない。現場で網膜に焼き付けた推しの姿に勝るものなんて、この世にはありませんよ!

その他変な便利アイテム

百均とかスリコとか無印とかでもっと安く質の良い同等品がないか調べてみるべき。

最後に

  1. 購買基準に自分の軸を持とう(他のオタクが買ってるから買う、はやめよう)
  2. 安いから買う、高いから買わないは後悔する可能性大(あくまで欲しいかどうかで決める)
  3. 使い道、再利用頻度、代えの効かなさを想像しよう
  1. 稀にサブスクの音質では物足りないという理由でCDを欲するオタクがいますが、ええ私です
  2. そうじゃないオタクは敬虔なオタクだと思います、尊敬します
  3. 最近は後日配信も増えてはいるが、期限付きだったりやはり映像や音声の品質でブルーレイに劣る場合があります
  4. 血眼でらしんばんやらトレーダやらブックオフやらを駆けずり回りたいですか?
  5. これはユニクロの企業努力が凄まじいだけの話
  6. 紅白歌合戦でゲストが振ってるようなスタンダードなペンライト。全色ピンクとか形状が特殊なタイプでは決してない
  7. 三角ユニットのファンに怒られろ
  8. オタクとの写真、そんなに大事か?
  9. いや、そんな界隈やめてしまえよ
  10. 結局読まなくなっていくけど場所を取るというほどでもない