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水瀬いのり 1st half album “heart bookmark” 聴いた感想 – しっぽが黒いパンダのブログ

水瀬いのり 1st half album “heart bookmark” 聴いた感想

3周くらいはしたので書きます。鉄とお気持ちは熱いうちに叩け。

M1. heart bookmark

これまでのアルバムではタイトル曲が一番最後にくるのが通例でしたが、今回は一番最初の曲です。

アルバムの1曲目はアルバムの顔ですから1、作詞作曲そして曲のコンペにはさぞ苦心されたことでしょう。

アルバム1曲目に相応しい爽やかさ、イントロなしで始まるスピード感、耳に残りやすいメロディ、どれをとってもアルバムの出だしとして優等生的な良曲だな、とメロフラで初披露された時思いました。既存曲でいうと『Morning Prism』と似てるかな

本日2をもって2番以降が解禁されたわけですが、歌詞には既存曲のタイトル散りばめられており、いい塩梅で遊び心が覗いています3

落ちサビでは楽しげで軽快なサウンドから一転して「いつもの」水瀬いのり楽曲にありそうなしっとりゾーンへ。大サビ~アウトロにかけて一気にギアを入れてさっぱりとした後味を残して締めます4、うん、好きですねheart bookmark。

アルバムのカバージャケットもそうですが、なんとなくこれを思い出してしまったのは悲しきミモリアンの性です。

M2. フラーグム

いままでのアニタイ(アニメのタイアップ曲)の中で一番好きかもしれません。一番でもなくても最も好きなアニタイTierに名を連ねているのは確実です。

作詞を担当されたカノエラナさんは今回が初めましてですが、確かに今までに無かった感じの歌詞だなと思います。いい意味でアニタイらしくなく、逆に言えばこれまでの水瀬いのり楽曲らしさが感じられる個性的な歌詞だと思いました。特に「どんな敵にも ハロー」は、なかなかインパクト強くて耳に残ります。

で、2番の歌詞。もうね、ファンサすぎてクソデカ感情が溢れすぎてセーヌ川決壊しますよ。「いのりオタクのお前ら、こういうのが好きなんだろ? ん?」という町長の悪魔の笑みすら見えます。どうせ誰かの二番煎じなのは分かってるけど、お気持ち程度に解釈を書きますと

小さい頃 描いてた憧れには
ほど遠いかもね だけどいいや

「まっすぐに、トウメイに」5

もっと好きになれるもの見つけたから
遠回りも悪くなかったよ

「旅の途中」

「かっこつけて良いこと言おうとすると~」以降も似たようなフレーズは既存曲にありますが、数が多いのでこれだという決定的なものは見つけられませんでした(深夜に書いてるので体力が)。

曲の歌詞に

模範的な回答しかできないよ

とありますが、日々エラーしか生み出せず方々から怒られを発生させている私から言わせてもらえば「模範的な回答」ができる時点で十分優秀だし、結構秀でた才能があると思います…

MVラスサビあたりで登場する花冠いのりちゃんが大天使ぶりは説明不要ですね。結婚しようね。

M3. スクラップアート

アルバム曲における既存シングル曲の曲順、それは人類の長い歴史の中でこれまで何度も血で血を洗うような激しい議論が繰り広げられてきました[要出典]。(私はやってないので良く知らないのですが、)「X」とかいう掲示板をチラ見したところ、本アルバムにおける既存アニタイ曲の位置に不満を漏らすコメントも少し見かけました。

確かに、『heart bookmark』アルバムにある種の統一したセンスやメッセージ性やコンセプトを求めるのであれば、『スクラップアート』と『アイオライト』はアルバムの中で異質な存在、悪く言えば浮いた存在、不純物なのかもしれないです。

でも考えてみてください、我々が聴いているアルバムは、元をたどればコンパクト・ディスクなり、お使いのストリーミングサーバに保存された、データ単位の集合体でしかないのです6。アルバムの曲順が気に入らないのなら、曲順なんて勝手に変えて聴けばいいのではないでしょうか。ライブは生物ですから、セトリの曲順にこだわるのはわかります。でも、アルバムはいつでも聴けますし、シャッフルして聴いても、好みじゃない曲を飛ばしても、プレーヤーの再生キューを好みにいじっても良いのですよ(個人的楽しみの範疇で7)。

2024年、令和なんですからSpotify とかで簡単に好きな曲順で自分だけのプレイリストを作ってしまえば済むことではありませんかね。アルバム曲順を蔑ろにするとは何事だ、制作者への冒涜だ、といった反論が聞こえてきそうですが、聴く順番を変えれば済む話ならそんなに熱くならなくてもいいじゃないですか8。5040通り(人によっては120通り)の『heart bookmark』があっていいと思います。

なるべくアルバム曲の鮮度の高い感想を書きたかったので、既存曲である『スクラップアート』についてはここで感想を述べることはしません。

M4. アイオライト

これも既存曲で、スクラップアートと同じ作品のアニタイですね。M3, M4 はシングル盤と全く同じデータではなく新規にリマスタリングしている9とのことですが、私の駄耳では違いが聞き取れず…高級イヤホンで非圧縮CD音源を聴いたら分かるのかもしれませんが

M5. ほしとね、

おしゃれ!水瀬いのりの声でこういう曲が聴きたかったです!!なんで分かるんですか?

水瀬いのり楽曲といえば「空」をテーマにした曲が多いですよね。『あの日の空へ』、『茜色ノスタルジア』『ソライロ』などなど、星空など天体系も含めれば空を見上げる曲が多くて首が痛いです(笑)

『ほしとね、』は自分の中でこういう曲あったらいいな、という漠然としたイメージが具現化したような曲でした。これが出てきた時点でアルバム自体に☆5つけちゃいます。これライブで聴けるのか、胸熱すぎます…

歌詞は等身大でありつつもちょっと大人っぽい雰囲気。電子音中心で美しい都会的なあまり詳しくはないのですが音楽のジャンルでいうとAOR?10。なぜか昔聴いたことがあるような気がするのは、その手合いの音楽を小さい頃に聴いてたからなんでしょうかね…?

同じエッセンスを感じなくもなくない?

今までのどの曲とも似てない感じで新鮮でしたが、いのりちゃんの新しい表情が見られてとっても眼福、いや耳福です、ホントに。こういった、普段と違うテイストの楽曲が聴けるのは、まさに声優アーティストオタク冥利に尽きるとしか言いようがありません。

作詞作曲は『Starlight Museum』でおなじみ櫻澤ヒカルさんです。ふむふむ。

M6. グラデーション

ミディアムテンポで耳に優しくリラックスできる曲です。『ほしとね、』と同様、都会的な洗練されたセンスが光る音作りだなと感じました。歌詞に表れている風景がエモすぎてサラリーマン社畜にめちゃくちゃ刺さります。イントロとアウトロに生活音が多用されてるのが印象的ですね。深夜残業明けの朝焼け夕焼けがくっきり見えます。間奏のギターリフのところとか聴くと『ほしとね、』よりこっちのほうがAORっぽい?

『グラデーション』というだけあって、今回は夕焼けから朝焼けへの移り変わりに代わり映えしない日々への不安を重ねて描いた曲、という解釈はみなさん大体同じだと思います。イントロで信号のカッコウ、カラス、自転車の音などで夕暮れ時であることを印象付け、短いピアノでボーカルで繋ぎます。アウトロでは朝の爽やかな空気が感じられ「いつもと同じ日」の時間の移ろいを、これもまた生活音で表現していますね。

昨日みたいな今日 今日みたいな明日
時間だけがただ降り積もっていって

のwhisper voiceが、めっちゃ阿波連さん。はかれないレベルでかわいい。。で、そのあとの「ハァーアアー」のバックコーラスがめちゃくちゃやなぎなぎなんだよなぁ。というか全体的にかなりなぎさん風味。つまり大好物です。

変わり映えしない日々への漠然とした不安みたいなものって、社会人誰しもが一度は感じたことがあると思いますし、かくいう私も例外ではありません11。それをテーマに選んでくれたことに感謝しかありませんし、しかも曲で描かれているのはリスナーの多くが職場なり学校なりで過ごしている12日中帯ではなく、帰宅時間~翌日の出勤時間なんですよね。4th Album “glow” も「日常に寄り添う」をテーマにしていましたが、『グラデーション』もまさしく glow にあってもおかしくない感じの、日々のわずかなすき間時間とかおやすみ前に聴くことを想定して作られてますよね。

まぁでも、有休をとった日の昼下がりのお昼寝BGMにできたらどれだけ幸せなことかと思いますけど。

長々書いてしまいましたが、何とことない一日が途方もなくいとおしく感じてしまうような素敵な曲です。好き。

M7. 燈篭光柱

𝕏やらない👏👏👏👏👏👏周平!

ごめんなさいふざけました。漢字を間違えると過激オタクにボコボコにされることでお馴染みの栁舘周平大先生、通称 YD 大先生の最新作が満を持してアルバムをラストを飾りました。

イントロを一聴して、なるほど祭りとか和風テイスト×現代ポップかなるほど、と思ってるとBメロで民族楽器のような音が鳴り始め、異国情緒が感じられました。おやおや

そしてサビ。!!!!!。重ねられた音の洪水が一気に押し寄せてきます。おお、これはライブで盛り上がりそうな祭囃子じゃ、と思うもつかの間、あれここ日本?。なんか西洋のカーニバルのようでもあり、ブラジルのサンバの笛もきこえ、なんてよそ見をする間もなく歌詞のエモさに溺れてしまいそうです。サビ後半では「はっはっはっ」の合いの手が加わり、お祭りはさらにヒートアップ。「ラーラーラララーララ」とあわせてライブではコール必須ですね、うわぁライブ楽しみぃ!13
そして M7 も M5, M6 の例にもれずバックコーラスが多用され、奥行きのあるいのりボーカルでご飯が大変すすみます14

「燈篭光柱」という曲名は造語だと思いますが、大気を貫くような鋭い光(稲妻やライトセーバーのようなもの)ではなく、お祭りの提灯とか燈篭流しのようなぼんやりとした光が連なった柱のようにものをイメージしているのかなと思います。夜の神楽坂や、京都の夜景、広島の燈篭流しのようなものが、脳裏に浮かびました。

2番も終わりにさしかかると、今度はインド風味のサウンドがスパイスを効かせてきます。YD先生には落ちサビからのつなぎ方に関して絶大な信頼を置いているのですが、今回もまた新たな引き出しを見せてくれました。どんだけ引き出しあるんだよこの人、図書館の新聞コーナーかよ。

そして落ちサビのクラップがまたいい味出してますね。ライブではみんなでクラップ揃えようね👆👆👆👆

『パレオトピア』『スクラップアート』と比べるとそこまで冒険はしてないですが、奇をてらうことなく意外性と満足感を安定供給してくださる栁舘先生なくして、今の声優アーティスト水瀬いのりさんなしと言っていいくらいの存在だな、と改めて感じた一曲でした。

全体を通しての感想

通して聴いた感想としては、ハーフアルバムではあるけれども、一曲一曲が強くてすごく満足感がありました。『燈篭光柱』に至っては、もう10周年ですか?引退するんですかと心配になるくらい素晴らしいラストでした。15

断じて期待してなかったわけではないですが、数か月前に内田真礼が『TOKYO-BYAKUYA』というとんでもないミニアルバムを発表したこともあり、さすがに声優アーティスト業界であれに比肩するようなリリースは、今年はもうないだろうと高をくくっていたら、まぁとんでもないハーフアルバムが出てきましたねぇ。2024年、大事件多すぎですよ16。私が水瀬いのりちゃんのファンであるということを抜きにしても、きっと出会っていたら虜になるような曲ばかりですし、普段別ジャンルの音楽を聴いている方にも自信をもっておすすめできるアルバムです。

ところで、曲中にパリ要素はどこにあったのでしょうか。『燈篭光柱』なんて多民族音楽って感じですし、しいて言えばアジアの熱気って感じがしましたし。多民族、多国家、祭り、イベント、オリンピック、パリオリンピック!そういうことでしたか(適当)そういうことにしましょう。カバージャケットやフォトブックでパリを存分に堪能させつつも、収録曲はパリあるいはヨーロピアンテイストにこだわらないという、あえての手法だったのかもしれないですし。

個人的には、いのりちゃんがただ単純にディズニーランド・パリに行きたかったのでスタッフに駄々をこねて経費でパリに行った説を唱えたいのですが、さすがにこんなこと言うと怒られそうですね。

以上です。

  1. ストリーミングサービスが音楽を聴く手段の主流となってきた今、1曲目でリスナーの心をつかむ重要性がこれまで以上に増していると思います
  2. CDフラゲ出来た人は昨日
  3. こじつけも混じってますが以下参考に… あの日(あの日の空へ)、蕾(夢のつぼみ)が開きました。青い(三月と群青、BLUE COMPASS)、海目指し漕ぎ出し(BLUE COMPASS)いつか、虹の向こう(Catch the Rainbow!)瞬く(水彩メモリーの「銀色の流星がまたたくようで」)光見つけて(glowなど多数)
  4. 音楽のことよく分からない素人が書いてるので言葉遣いは雰囲気です。許して…
  5. NEXC〇中日本 新東名高速道路「キリンレモン」CMテーマソング
  6. アナログレコードならまだ分かるけども
  7. 商用利用NGということです
  8. あれ…?ここの管理人『glow』のときにさんざんアニタイの曲順に苦言吐いてなかったかな。
  9. メロフラで本人が言ってました
  10. JPOPの場合は「シティポップ」が正しいらしい…音作りはエレクトロニカっぽさを感じました。音楽ジャンル詳しい方いたら教えていただきたいです
  11. なんなら在学中から今に至るまで毎日自分のキャリアを自問自答していますが、これ以上は自分語りになるので自重。
  12. リモートワークの人も多いかもしれない。そういう人は勤務中に堂々と聞けばいいんじゃないかな。
  13. オタクは普段大声を出す機会なんてほぼないので肺活量を増やしていかないと厳しそう
  14. 本人がバックコーラス好きなのか、はたまた無意識にコンペでバックコーラスのある曲を選んでいるのか。どっちでも好きなのでOKです。
  15. 来年のことなんて誰にも分からないし、その時考えるでいいと思いますし、オタクのしょうもない心配なんて吹っ飛ばすくらいの素晴らしい楽曲が、未来で我々を待ち構えているはずです、きっと。
  16. 誹謗中傷、ダメ、ゼッタイ